カテゴリー「掲載メディア」の6件の記事

週刊金曜日にペガーさんの記事が掲載されました

2007年9月7日発売の週刊金曜日に、ペガーさんの記事が掲載されています。ファイルをアップしましたので、まだご覧になっていないかたは、下記よりダウンロードしてお読みください。

「KINYOU.pdf」をダウンロード

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no frillsさんの秀逸なまとめブログご紹介

イギリス情報の配信を中心としたno frillsさんのブログ『tnfuk [today's news from uk+]』にて、ペガーさんの事件について丁寧な解説がアップされています。

http://nofrills.seesaa.net/

各エントリの冒頭に【目次】を立てて読みやすくまとめています。関連リンク先は主に英文サイトですが、ブログ内過去ログへのリンクも貼られ、情報が充実しています。

no frillsさんは、ペガーさん「問題」の本質は「イミグレ(移民)」と「イギリスの政策の非一貫性(時事的対応としての方針転換)」にあるとしながらも、イスラム法における「同性愛」「死刑」などの関連問題にも言及し、「『人権』についてのEUの考えかたを変えてしまう」可能性を示唆しています。パート1、2併せてぜひご一読ください。

難民申請却下でイランに送還されそうなペガーさんの件、説明(1)
http://nofrills.seesaa.net/article/52948421.html

【目次】
■現状どうなってるのか:
■英国での報道はどうなのか:
■ペガーさんの件での「問題」は何か:
■ペガーさん強制送還問題の要点:
■ペガーさん強制送還問題の経緯:
■ペガーさんの難民申請が認められなかった理由は何か:

難民申請却下でイランに送還されそうなペガーさんの件、説明(2)
http://nofrills.seesaa.net/article/53042663.html

【目次】
■英国内務省の判断の根拠となる文書にはどう書かれているか:
■英国内務省の「イランでは同性愛者への迫害はない」との判断の根拠は何か:
■正直、イランはどうなのか:
■「死刑」と英国:
■補足:

***

当ブログのコメント欄にも、「不法滞在は法の裁きを受けるべき」という内容の書き込みがいくつかありましたが、ペガーさんのケースでは、難民申請が却下された時点で滞在許可が切れ、在留資格を失ったがゆえに不法滞在扱いとされました。最初からノービザでイギリスに潜入したわけではありませんので、誤解なきように。

日本国内でも、主に東南アジア諸国のひとびとによる「不法滞在」がニュースの特集として頻繁に取り上げられていますが、この問題に関して「逮捕された=犯罪者(悪人)=罰されるべき!」と連想するのはとても短絡的です。経済不況(仕事がない)、パスポートとビザ取得が困難という自国の事情がまずあります。彼らは働き口を求めて日本にやってくるのです。しかし、日本の難民・移民受入はひじょうにわずかです。そのため、来日手段は非合法(闇ブローカーの仲介)にならざるをえませんが、そうしなければ貧困にあえぎ、家族もろとも飢え死にの危機に直面します。

ひとびとの生活の安全と安心を保証しない法を守ることに、いったいどのような意味があるのでしょう。法の定めるマスゲームを演じるために、ひとが動員されるのでしょうか。法とは、ひとびとの生活を保護するためにあるのではないのでしょうか。(ミヤマアキラ)

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朝日新聞神奈川版に掲載されました

本日付けで、朝日新聞神奈川版朝刊にペガーさんのニュースが掲載されました。

***


「強制送還なら処刑」
英に逃れたイラン女性同性愛者

英国大使館前 横浜の学生ら抗議


同性愛を理由に処罰する法律のあるイランからイギリスに逃れた女性が、強制送還され処刑されるかもしれないと、横浜市青葉区の大学生らが駐日英国大使館前で、強制送還しないよう訴えた。28日に強制送還の是非が決まるという。


県内や東京都内に住む約10人が大使館と外務省の前で「返せば死刑」「僕らの仲間を見捨てるな」などと書かれたプラカードを大きく掲げた。


中心になったのは東京都でDVDの配給会社を営み、自身も同性愛者の広瀬麻弥さん(29)。イギリス在住の友人から、ニュースを教えられたのがきっかけだった。


英ガーディアン紙のオンライン版によると、イラン人のレズビアン、ぺガー・エマンバクシュさんが渦中の女性だ。


同紙の取材に答えたイタリアの人権団体によると、エマンバクシュさんは結婚していたが、過去に同性との関係を持っていたとされる。相手の女性は逮捕され、拷問を受けて亡くなったというが、詳細は不明だ。


エマンバクシュさんは、イランを出国し、2年前にイギリスで難民認定を申請したものの却下され、逮捕、収容されているとされる。


広瀬さんはニュースを知った翌日の25日、「ぺガーさん強制送還反対」というブログを開設。各国の新聞を紹介し、反対のオンライン署名を呼びかけた。27日午後8時現在の署名は4200筆で、日本からも続々賛同の署名が集まった。


この日、広瀬さんは民主党から参院選に出馬した同性愛者の元大阪府議尾辻かな子さんとともに、大使館と外務省を訪れ、「イギリスとイラン、両国間の問題ではなくなっている。世界中の人権団体が注目している」と訴えた。大使館にはイギリス本国に伝えるよう求めた。外務省欧州局の担当者は、イギリス政府に事実関係を照会すると応じたという。


参加した横浜市青葉区の大学3年生は、大学生を中心としたネットワークで性的少数者の生きやすい社会を作る活動をしている。「何もしないで処刑されてしまったら後悔する。いまだに同性愛を理由に処刑をする国があるということを知ってほしい」と話した。川崎市の大学院生は「もっとメディアでも取り上げられるべきだ」と訴えた。 (二階堂友紀)


ニューヨーク在住のジャーナリスト・北丸雄二さんの話

同性間の性行為を死刑の対象としている国は中東やアフリカ諸国など世界で9カ国に上る。イランのイスラム刑法では、女性同士の性行為はむちうち100回、4回有罪を受けると死刑とされる。イランでは男性同性愛者への処刑がここ数年続いており、国際アムネスティからも抗議を受けている。少なくとも第三国への出国という道を考えるべきだ。


***


記事そのものを画像としてアップしたいのですが、どなたかスキャン→ファイル化したものを、pega_must_stay@yahoo.co.jp宛に送ってくださらないでしょうか。どうかよろしくお願いします。


(2007年8月31日追記)
BIANCA BIANCAさんから新聞記事のPDFファイルを送っていただきました。BIANCA BIANCAさん、ありがとうございます!

「070828asahi.pdf」をダウンロード

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韓国での動き

韓国のレズビアン人権相談所(Lesbian Counselling Center in South Korea)では、イギリス内務省宛に抗議のファックスとEメールを送るアクションがおこなわれています。


以下は、上記団体のサイトに掲載された声明文です(スクロールすると英文ヴァージョンがあります)。
http://lsangdam.org/bbs/view.php?id=press&no=32


以下、声明文の要約です。

ーーー

わたしたち韓国レズビアン相談所は、イギリス政府が強制送還の決定を撤回することを希望する。誰が誰を愛するかは個人の自由であり、生きるための基本的権利でもある。イギリスでは、Civil Partnerships Bill(2004) and Equality Acts(2006)があるが、今回の事態においては、とても同性愛嫌悪的な行動をしているのではないか。イランの同性愛者には、国際的なサポートが必要だ。難民の地位に関する協定を守ってほしい。

ーーー


また、韓国のインターネット新聞ILDAでも、このニュースを取り上げています。
http://www.ildaro.com/Scripts/news/index.php?menu=ART&sub=View&idx=2007082500001&art_menu=4&art_sub=7

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イタリアでの動き(2)

http://www.indymedia.org.uk/en/2007/08/379691.html

以下、引用・編集記事です。


***


イギリス政府、ぺガーさんの件を見直す。イタリア、ぺガーさんの避難先として名乗りを上げる(ローマ2007年8月25日)


379692

(8月25日、イタリア英国大使館前にて、イタリア人権団体EveryOneのメンバーたち)


イタリア政府は8月25日、イギリス政府がぺガーさんをイランに強制送還するのであれば、彼女を難民として受け入れることを表明した。


イタリアの人権団体EveryOneのRoberto Maliniさん, Matteo Pegoraroさん, Dario Picciauさん、 そしてSteed Gameroさんは、在イタリア英国大使館の筆頭書記官と面会した。


「ブラウン英国首相は、イランからの亡命者の件に関して特別な注意を払っている。そして、政府としては人権法に則った解決策を見つけたい」と英国大使館関係者は語った。


EveryOneは、イランが公表したぺガーさんへの死刑宣告書などを含み、彼女の置かれた立場を証明する重要書類をイギリス政府に手渡した。さらに、ぺガーさんのセクシュアリティを明らかにするものとして、彼女が同性愛者組織の一員であることを証明する手紙も添えられた。


Barbara Pollastriniさん(*編集注:Italian Minister for Rights and Equal Opportunities/人権機会均等省大臣か?)はEveryOneのアピールに参加すると同時に、イタリアでぺガーさんを受け入れる準備が進んでいることと、多くの閣僚がすでにこの計画に賛同していることを発表した。イタリア国会議員のFranca Bimbiさん(欧州政策委員会委員長)やFranco Grilliniさんも、EveryOneのアピールとBarbaraさんの計画への賛成を表明している。


Venice Massimoさんは、ぺガーさんの住居もすでに確保していると述べている。ローマ市長は、ぺガーさんはイタリアの首都に受け入れられるべきであると主張している(*編集注:Massimo氏がどこの市長かは記事中に明記されていません)。


一方、イギリスでは弁護団が結成され、ぺガーさんが与えられるべき保護が保障されるよう彼女を弁護する動きがある。


イタリア外務省副大臣Patrizia Sentinelliさんによれば、イタリア政府はすべての外交ルートを使って、ぺガーさんをイランに強制送還しないようイギリス政府に働きかけているという。また、その働きかけは「よい方向に進んでいる」とのこと。そして、万が一、ぺガーさんが強制送還になったとしても、イタリアが彼女を受け入れる準備は整っている、と語った。


EveryOneの行う一連の動きによって、イタリアでは党派を超えて政治的団結を深めつつある。Silvio Berlusconiが設立した右翼系政治団体Forza Italiaも、ぺガーさんをイタリアが受け入れることに賛成を表明している。また左翼系政党も、25日月曜午後、英国大使館前での座り込み抗議行動に参加し、ヨーロッパ各国においてぺガーさんと同じような立場にある人たちが難民として保護されていることを報道関係や政府関係者に訴えた。


このような象徴的事件において、倫理や政治的解決策、共通の目的を見いだすには、一枚岩の合意を作り上げるのではなく、人権に敬意と注意を払うことが大事である。そのような動きが、いままさにイタリアで起こっているのである。

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AP通信がPegahさんのニュースを取り上げました

http://www.iht.com:80/articles/ap/2007/08/27/europe/EU-GEN-Italy-Britain-Iranian-Lesbian.php

以下、邦訳です。


***


イギリスで強制送還の危機にあるイラン人レズビアン、イタリア政府が難民認定
(August 27, 2007、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン)


イタリアの政治家は、イラン人レズビアンを難民として受け入れる意思を表明した。女性は、イギリスから強制送還されれば本国で死刑に処される可能性がある。同性愛の権利を主張するアクティビストはロンドンで月曜日、強制送還への抗議運動を計画している。


イギリスの人権擁護団体によると、ペガ・エマンバクシュ(40)は、パートナーの女性がイラン政府により逮捕・拷問された後、2005年にイランからイギリスに亡命した。イギリスでの居住が却下され、今週国外追放される。


イギリスのサポーターは移民局に対し慈悲を求めロビイングを行い、サンフランシスコのアクティビストはイギリス大使館関係者にエマンバクシュの移民申請を許可するよう直訴した。


ロンドンを拠点とする同性愛人権団体アウトレージのピーター・タッチェルはこう語る。

「イランに送られたらエマンバクシュは拘束され、鞭打ち刑や、場合によっては石打ち刑に処される可能性がある。イランでの罪状は彼女の性的指向だ」


イタリアの同性愛人権団体Arcigayは、月曜日、首都ロンドンのイギリス領事館前で抗議運動を計画しており、ロマーノ・プローディ内閣に対し、エマンバクシュへの正式な難民許可を求めた。


イタリア政府高官は、クレメンテ・マステッラ法相も含め、エマンバクシュを難民として受け入れる準備は整っていると発表している。


イタリアはカトリック教国として死刑問題に対して敏感であり、今年はじめに国連に対し、死刑の一時停止を世界的に呼びかけるよう働きかけていた。


同性愛はイランでは犯罪であり、死刑となることもある。2005年には10代の若者2人が、イスラム体制のもと、同性愛行為の罪で絞首刑に処されている。


イギリス内務省は、個別のケースに関するコメントはできないとしている。


2005年よりエマンバクシュはイギリス北部シェフィールドに居住しており、現地の議員である元スポーツ相のリチャート・カボーンは強制送還の一時的な延期が決定したと述べた。彼は今後ジャッキー・スミス内相にエマンバクシュの難民認定を要請する意向だ。


イタリアの新聞ラ・レプブリカは、日曜日に公表されたエマンバクシュのインタビューを伝えた。

「恐らくイギリス政府は証拠がほしかったのでしょうが、何を証拠として示せばいいのか私には分かりませんでした。イランに戻って、死よりも恐ろしい目に遭うのであれば死んだほうがましです」


エマンバクシュは先週シェフィールドで拘束され、強制送還が決定するまでロンドンの入国管理局の収容所に入れられている。


EU司法委員会のフランコ・フラッティーニは、月曜日イタリアのニュースANSAの取材に対し、「イギリスはこのケースをもっと深刻なものとして捉えるべきだ」とコメントした。エマンバクシュの難民認定は難しいと認めたうえで、しかし、「仮に難民申請を却下せざるを得ない正当な理由があったとしても、保護を優先させ強制送還は見送るべきだ」と述べた。

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